おさらばの思想
去る先月28日に放送された三國連太郎さんの追悼番組を見て結果的には良かったと今では思っている。 その時の私の率直な感想は以下のようなものだった。 ひとの死を受け容れるのには時間がかかる。芸能界では三國さんの後に牧伸二さん、そして、夏八木勲さんが続いてこの世を去った。 この間、とりわけ東日本大震災以降の私の自身を含めたひとの死に対するスタンスが改めて問われていたような気がしてならない。 確かにひとの死と向き合うことは辛いことでもあるし、それを受け容れるには時の経過を待たねばならない作業ではあるが、これからはひとの死に背を向けるのではなく私なりに明るくそれと付き合っていこうと何かが吹っ切れつつあることを感じている。 牧伸二さんの追悼記事の中で私はこう書いた。 せめて私が死ぬ時くらいは落ちのある笑えるものにしたいと。 そうした考え方がひとの死全般に適用出来るものではないことは私も知っている。 だが、それが私にとっての「おさらばの思想」であることに違いはない。 |