Rubin's vase
あの失恋から1週間以上が経った。 その間の酒の飲み方が変わったような気がする。 別に誰かにからんだりとか暴力的になった訳ではなく、飲んだ翌日は決まって極端に心が落ち込むようになったのだ。 正確に言えば、飲む意味が変わったと表現した方が良いのかも知れない。 その理由を私なりに冷静になって考えてみると、やはり失恋をまだまだ受け容れられない自分がいるらしい。 私の1日24時間の生活の中で直に彼女に会わなくても心は常に彼女の存在で満たされていた。 そんな彼女が突然いなくなってしまったのだから、インスタントには事は進まないだろう。 ふと心理学で有名な「ルビンの壺」を思い出した。 見方よっては、向き合った2人の顔にも大型の壷(盃)にも見える図形のことだ。 これと同様にこの歳になってからの失恋もまた今後の私の人生においてポジティブなものにもネガティブなものにもなり得るものだ。 同じ酒でも楽しい酒を飲みたいに決まっている。 こんなにも彼女のことを好きになることが出来たのだから、その経験を活かせない法などドコにもない。 それは「ルビンの壺」が証明している。 待てば海路の日和あり。 英語では「Everything comes to him who waits.」とも言うではないか。 今は前向きな気持ちを忘れずに自分と日々向き合う時なのだと。 そうしてこそ次のステップへと進めるのだから。 |