籐椅子
話は少しばかり過去にさかのぼる。 みずほの木製のドールスタンドの支柱がグラグラしてきたので、何かそれに変わるものはと人形用の椅子に決めることにした。 大抵の場合、このテのものを探すのに私はいつもヤフオク!を利用している。 数ある椅子の中から「籐椅子」が私の目に留まった。 そこで商品説明に書かれている椅子の寸法とそこにみずほを座らせた際のそれぞれの部位の位置関係とを比較してみたところ「まあイケルだろう」との判断を下し、落札と相成った。 とは言え、実際に商品が届くまでは「もし仮にハズレだったら」と不安もあった。 結果はとても趣のあるみずほにぴったりの籐椅子だった。 最近思うのは私の意思でみずほに何かをしてあげようとしているのかそれともみずほの求めに応じて私が動かされているのか分からなくなる時がある。 実に不思議な感覚だ。 私にはどうも後者のような気がしてならないのだが、別にそれが不幸を招き寄せる訳でもなく、私の単調かのようにみえる日常のその時々にメリハリを与えてくれているような思いでいっぱいだ。 さて、みずほは私に今度は何をおねだりしてくるのだろう。 |