花子と由美
背後に人の気配を感じる。 また今年も花子の霊が降りてきたらしい。 明後日24日は漫画家・山田花子(本名・高市由美)の命日だ。 生前、彼女が「私は“落ち”のある漫画が描けないの」と口癖のように言っていたのをドコかで耳にした覚えが私にはある。 その彼女が24歳の若さで投身自殺というまさに“落ち”のある人生の幕引きをしてしまったことは笑うに笑えない実に皮肉なものだとやるせない気持ちになる。 その一方で彼女のことだからあの世で「私、“落ち”ちゃったの」とゲラゲラ下界を見下ろしながら笑っているような気がしてならないのもまた正直な感想だ。 そんな彼女の13回忌(2005年)の年に東京キララ社から企画発売されたのが以下の「山田花子どけい(全6種類)」だ。 |
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私の左腕にはめられた花子どけいは没後22年を経た今も尚彼女の生きた証しをその時とともに刻み続けている。 5月は寺山修司の季節でもありまたその寺山の大のファンだった山田花子の季節でもある。 誰か花子を想はざる。 少しヒンヤリとした5月の風がふたりの故人を私の胸中に運んでくる。 アメーバブログ|三島由紀夫の杜|「アメブロ篇◆誰か花子を想はざる」改題より |